キャリアの見直し-2:入社後数年間

今の会社に新卒として入社して配属されたのは情報システム部門でした。文系の総合職として採用されたので、最初はてっきり営業部門に配属されるものと思っていましたが、当時会社が社内情報システムを刷新しようとして力を入れていたためにそのための要員として配属されました。そしてこの思いもかけない配属が私にとっては幸運な出来事でした。

それまで私はコンピュータにまったく興味関心がなく、学生時代もコンピュータ関連の勉強はしたことはありませんでした。ところが、会社でシステムの仕事を始めてみるとそれがとても面白かったのです。システムが決められたロジック通りに動くというとても論理的なところがとても自分の性分に合っていたのだと思います。また、会社からシステム関連の様々な研修を受けさせてもらい、コンピュータの基礎からいろいろな勉強ができたこともとても楽しかったです。

図らずも自分から進んで選択した仕事ではなかったのですが、おそらく会社が私の適性を見て配属してくれたおかげで自分のキャリアのベースとなるITに関する専門的な知識を習得するきっかけになりました。入社して数年はITのエキスパートとしてやっていきたいという気持ちが強く、一般的にもITエキスパートとして認められるために情報処理試験もいくつか受験勉強をしたりして、とてもやりがいを感じて仕事をしていました。

これらのおかげでIT関連知識やIT業界のことは詳しくなりましたが、ところがもともと自分はモノを作るメーカーに就職したいと思い食品会社に就職できたのに自分の会社が関わる食品業界や食品製造販売の業務についてはよくわからなかったのが当時の私の実情でした。また、言い方は適切でないかもしれませんが、単なるエキスパートとして過ごすだけではなくもっと自分には何かできるのではないかという漠然とした気持ちもありました。今から考えれば、何を根拠にそんなことを考えていたのかと思いますが、若い頃は誰でもこのような思いを抱いたりするものかと思います。こうして入社から数年は基本的に与えられた仕事を完璧にこなせるようなITエキスパートを目指していました。(続く)

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