ビジネスでのIT活用術(IT初心者向け)-12:システムが動かなくなったらどうする?(パート2)

システムは突然使えなくなることがあります。普段は余り考えることがないと思いますが、どんなシステムでもそのような可能性はまったくないわけではないので、もう少し考えてみましょう。

前回ご説明した事業継続計画(Business Continuity Planning, BCP)は、システムが使えなくなったときにどのように業務を継続するかというプランでしたが、使えなくなったシステムをいかに早く使えるように復旧することも別途考える必要があります。システムが使えなくなったときに、BCPに従って別の方法で業務を継続するにしても、システム無しでできることには限界がありますので、システムをいち早く復旧することがやはり非常に重要です。そして、このシステムを復旧するためのプランのことを災害復旧計画(Disaster Recovery Plan, DRP)といいます。

DRPは文字通りに、何か災害が発生して被害を受けたときなどに、どのようにしてシステムを復旧するかというプランですが、災害ではなくても何らかの理由で、システムが使用できなくなった場合にも適用できます。例えば、システムが稼働していたサーバーが何らかの理由で動かなくなった場合に備えて、バックアップ用のサーバーを事前に準備することもDRPの一つです。

バックアップサーバーを事前に準備しておくだけでも、万一それを使わなければならなくなったときには、事前に準備していなかった場合と比べて大きな違いになります。もしシステムが稼働しているサーバー自体が、ハードウェアの問題などで使えなくなった場合に、それから新しいサーバーを調達するとなるとかなりの時間を要することになり、システムが復旧するまでに相当の時間がかかることになります。

また、バックアップサーバーを遠隔地などの別の場所に準備しておくことも場合によっては必要です。何らかの災害でシステムを稼働している建物や地域が被害にあった場合は、別の場所でシステムを稼働させるしかありません。私が経験した阪神淡路大震災では、会社のオフィスが被害を受けて、会社のコンピュータが一切使えなくなったため、当時契約していた遠隔地のデータセンターを使用して、システムを復旧することができました。この当時に、バックアップ用のデータセンターを契約していたことは、大変画期的だったと思いますが、これがなければシステム復旧にどれだけの時間を要していたかと思うと、素晴らしいDRPだったと思います。

最後に、DRPもリハーサルしておくことが大変重要です。実際リハーサルをしてみると、想定外の事が起こったりするものです。震災の時もその少し前に実際リハーサルをしていたおかげで、システム復旧が大変スムーズにできました。

すべてのシステムに対してDRPが必要だとは思いませんが、業務の重要度や緊急度に応じてDRPを検討することはとても有益なことだと思います。

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